「4-1.企業ならまだしも個人でできる故障対策には限界がある」で、ハードディスク(HDD)やSSDの湿気対策も重要であると説明しました。
ここでは、個人でできる湿気対策を紹介します。
しかしながら一般家庭での湿気対策は難しく、「4-2.個人でできるハードディスクやSSDの熱対策(熱対策10選)」で紹介した熱対策のうち、湿気対策にもなる対策を行うのが有効です。
効果がハードディスクやSSDの湿気対策方法
効果が期待できる湿気対策方法4選
個人が自宅でできるHDDやSSDの湿気対策を4つ紹介します。5つくらい候補を挙げたかったのですが、個人レベルで効果が期待できる湿気対策は4つが限界の様です。
①除湿機を使用する
- 効果:★★★★★
- 費用:★★★★★
部屋を除湿するための専用の機械「除湿機」を使うのが、最も優れた湿度対策です。
ただし、動作原理がエアコンに近いため、24時間365日使用するには、見た目の割にエアコン並みのランニングコストの問題と、除湿により溜まった水の処分にかかる手間を考えると、おすすめはできません。
②エアコンを使用する
- 効果:★★★★★
- 費用:★★★★★
エアコンの除湿運転で湿度を下げる方法です。熱対策で紹介したのと同様にアコン本体の価格も高価ですし、ランニングコストもかかるため、個人宅ではあまりおすすめできません。
予算に余裕があり、除湿機の購入を考えているのであれば、冷暖房を備えるエアコンで除湿する方がおすすめです。
③窓を開けて換気をする
- 効果:★★★☆☆
- 費用:☆☆☆☆☆(ゼロ)
室内は、人の息や汗などで外よりも湿度が高くなる傾向にあります。窓を開けて換気してやることで、湿度が下がり湿度対策にも効果が見込めます。
また、人や物が出す熱や日照による熱の影響により室温も外気より高くなる傾向にあり、換気は熱と湿気の対策に効果を発揮します。
ただし、HDDの敵であるホコリを呼び込んだり、梅雨時など雨天時は、逆に湿気を高くしてしまうため、換気は晴天時に限るなど注意が必要です。
④設置場所を工夫する
- 効果:★★★★☆
- 費用:☆☆☆☆☆(ゼロ)
お風呂場や洗面所やキッチンなど水回りの近くや、窓枠が結露するような日当たりの悪い部屋は、他の部屋と比べて湿度が高くなります。この様な場所にHDDやSSDを設置しない様にすることは、湿気対策になります。
費用はかからない対策方法ですので、できる限り好条件の場所に設置するべきです。
湿気が少ない場所選びと同時に、「4-2.個人でできるハードディスクやSSDの熱対策」で紹介した熱のこもらない設置場所を考慮することで、熱対策の手間も省けます。
ネットで見つけた効果がいまひとつな除湿方法
部屋の湿度を下げる方法と言ったら除湿機やエアコンで除湿する方法や、換気をする方法しか思いつかなかったため、他にも良い方法がないかをインターネットで調べてみました。
いくつか湿気を取る方法はありましたが、部屋の湿度を下げる目的ではどれも気休め程度のものでした。やはり、部屋を除湿するには除湿機かエアコンを回すしか無い様です。
木炭による除湿
木炭には湿気を吸着する効果があり、部屋に吊るすことで湿気を取る効果が見込めますが、定期的な手入れが必要であり、実用的ではありませんでした。
重曹による除湿
重曹も湿気を吸収するそうですが、軽く湿る程度の吸収量だそうで、こちらも実用には耐えられなそうです。
新聞紙による除湿
新聞紙を下に敷く方法もありましたが、新聞紙を放置していても僅かに湿り気を感じる程度であり、部屋の湿度までは下げられなそうです。
シリカゲルによる除湿
衣類やカメラの除湿剤であるシリカゲルも、狭い庫内では有効な製品ですが、水気を帯びて膨らむ程度であり、部屋の湿度までは下げられなそうです。
部屋やクローゼットの除湿剤
ドライペットの様な押入れやクローゼット用の除湿剤も市販されています。ここで紹介している中で唯一目に見える水が貯まる除湿方法ですが、加湿器を回して1日で溜まる量をワンシーズンで回収できる程度の除湿量です。
湿気対策は設置場所の工夫と換気が現実的
HDDやSSDの湿気対策は、一般家庭では限界があり、湿気が溜まりにくい設置場所を選ぶことと、外の湿気が少ない日には窓を開けて換気するのが現実的だと言えます。
湿気対策よりも熱対策の方が重要であることと、熱対策を行って温度変化を少なくできれば、高湿度による水滴が発生するリスクも軽減できるため、湿気対策は設置場所と換気に留めて熱対策に注力するのが、一般家庭でできる湿気対策の最善策です。
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