「4-1.企業ならまだしも個人でできる故障対策には限界がある」で、ハードディスク(HDD)やSSDの熱対策が、個人が低予算でも実施しやすいと説明しました。
ここでは、個人でできる熱対策にどのようなものがあるのかを紹介します。
ハードディスクやSSDの熱対策方法10選
個人が自宅でできるHDDやSSDの熱対策を10個紹介します。
1万円〜数万円の低予算で実施できる熱対策を5つ、1万円以内の予算で実施できる補助的な熱対策を5つの10個です。
個人が安価に導入できる熱対策5選
個人が熱対策として比較的に安価で導入できる機材を5つ紹介します。1万円〜数万円の費用がかかりますが、それだけ効果の高い対策方法です。
①エアコンを使用する
- 効果:★★★★★
- 費用:★★★★★
エアコンの冷房で室温を下げる方法です。設置場所の室温を下げるため、とても効果の高い対策ですが、アコン本体の価格も高価ですし、運転コストもかかるため、個人宅ではあまりおすすめできません。
エアコンを使用する場合は、設定温度を32℃と高めにするなど、住人よりもHDDやSSD寄りの温度設定にするなど、ランニングコストを下げる工夫が不可欠です。
②熱対策を謳ったハードディスクやSSD製品を使う
- 効果:★★★★☆
- 費用:★★★☆☆
HDDやSSD製品や、それらを内蔵して使うケース製品の中には、熱対策を謳った製品があります。
熱対策を謳っているだけに、当然ながら熱対策効果が高い製品が多く発売されています。
一般的なHDDやSSD製品と同程度の価格で導入でき、比較的安価に対策がとれるため1番おすすめの方法です。
③ハードディスクを全てSSDに置き換える
- 効果:★★★★☆
- 費用:★★★★★
HDD同様にSSDも熱に弱い装置ですが、HDDを全てSSDに置き換えることでも熱対策は行なえます。
SSDには通常、過熱時には性能を落として発熱を抑える「サーマルスロットリング」という自己防衛機能が備わっています。
他の熱対策と組み合わせるのが望ましいですが、データ消失という最悪の自体を回避できる可能性は高まります。
難点は、HDDと同じ記憶容量のSSDを揃えようとすると、信じられないほど高額になるところです。記憶容量は必要ないという場合に限っておすすめの対策です。
④ハードディスクやSSDを外付けにする
- 効果:★★★☆☆
- 費用:★★★☆☆
データの保存に使うHDDやSSDは外付けの製品を選ぶことも熱対策になります。
パソコン本体には、HDDやSSDの他にも電源やグラフィックカードなどの熱を発する部品がたくさん詰まっています。
パソコン本体をコンパクトにするために内部スペースには限られており、熱からこもりやすくなっているため、大切なデータを保存するHDDやSSDは外付けにする方が他の部品からの熱を受けなくなります。
外付けのUSBやSSDはUSBケーブルなどで簡単に増設できるのでおすすめです。
⑤熱を逃がせるパソコンラックを使用する
- 効果:★★★☆☆
- 費用:★★★★☆
一般的に金属は熱を吸収(伝導)しやすい性質を持っています。熱を逃す目的で使われるヒートシンクがアルミニウムや銅でできているのは、これらが金属であり、特に熱を吸収しやすい素材だからです。
パソコンラックを金属製にすることで、熱くなったHDDやSSDから熱を逃すことが期待できます。
補助的だけど超安価、組み合わせて実施したい熱対策5選
熱を逃がしたり、溜めないための補助対策を5つ紹介します。無料から1万円以内という超低予算で実施できる対策ですが、①〜⑤と組み合わせて実施したい対策方法です。
⑥エアブロアーで排気口のホコリを吹き飛ばす
- 効果:(状態による)
- 費用:★☆☆☆☆
パソコンやHDDやSSDの排気口がホコリなどで詰まると、内部の熱い空気が排出できず内部の温度が高くなってしまいます。
いくら外部の熱対策を施しても、排気口が塞がっていてはまともな効果は期待できません。
とても安価に実施できるため、予防目的でも実施しておきたい対策方法です。
⑦サーキュレーターや扇風機による冷却
- 効果:★★★☆☆
- 費用:★★☆☆☆
サーキュレーターや扇風機の風ををHDDやSSDに向けることで、周りの熱い空気を入れ替えて冷却することができます。
ハードディスク製品に備え付けられているファンと比べて大型で風量もあるため、冷却効果は高めです。
あくまで送風ですので、エアコンよりも安価に済みます。
⑧カーテンで室内温度の上昇を防ぐ
- 効果:★★★☆☆
- 費用:★★★☆☆
特に夏場の日差しが強い時期には、日照による室温の上昇は深刻です。
遮光性や遮熱性の高いカーテンを敷くことで、室温の上昇をだいぶ和らげることができます。
⑨窓を開けて換気をする
- 効果:★★☆☆☆
- 費用:☆☆☆☆☆(ゼロ)
室温のが高くて問題となる時期、室温よりも外気の方が低いことがほとんどです。
窓を開けて換気してやることで、室温が下がり熱対策にも効果が見込めます。
ただし、HDDの敵であるホコリを呼び込んだり、梅雨時など雨天時は、HDDやSSDな敵である湿気を呼び込んだりするため、注意が必要です。
⑩設置場所を工夫する
- 効果:★★★★☆
- 費用:☆☆☆☆☆(ゼロ)
一戸建てなら3階よりも2階、2階よりも1階、南側よりも北側の方が室温は下がります。また、同じ部屋でも窓際より廊下側の方が温度が低くなる傾向があります。
湿気やホコリや水濡れなどの対策も設置場所の工夫で回避できます。
費用はかからない方法ですので、できる限り好条件の場所に設置するべきです。
対策は組み合わせるほど効果大
これらの対策は、個別に実施するよりも組み合わせて実施することにより、効果は増大します。
できるものから始めて、数を増やしていく方法がおすすめです。
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