ハードディスク(HDD)は構造上、ホコリなど小さな異物の侵入に弱く、対策は取られているものの絶対ではありません。
ここでは、ホコリ対策が完全に取れない理由と、ホコリとは具体的にどのようなものを想定しているのかを説明します。
ハードディスクを密閉できない理由
ディスクとヘッドの隙間はごく僅か
「2-2.【ハードディスク】落下や水濡れによる故障」で触れましたが、HDDは高速回転するディスクの上を、データの読み書きをするヘッドという装置が行き来することで動作しています。
正確にデータを読み書きするため、ディスクとヘッドの距離は数ナノメートルから10ナノメートルほどしかありません。
目に見えない微生物の長さである数マイクロメートルよりも短い隙間しかないのに、ホコリなどが入ってきたら一大事です。
温度で空気は膨張・収縮する
「2-1.【ハードディスク】高温や湿気による故障」で触れましたが、HDDは動作中に高温となる装置です。
空気は高温になると膨張し、低温になると収縮するため、温度変化があっても内部の空気(気圧)を一定に保つためにHDDには隙間が設けられています。
ホコリが侵入しないためにフィルタが設けられているものの、フィルタ性能には限界があります。
ホコリにはタバコの煙も含まれる
「2-2.【ハードディスク】落下や水濡れによる故障」では、HDD内部のディスクとヘッドの隙間は微生物の大きさよりも小さいという例を上げました。
この隙間は、ホコリを例にすると、大気汚染物質PM2.5の粒子や、タバコの煙に含まれる粒子よりも小さな隙間です。
PM2.5の注意報が出ている日に窓を開け放したり、HDDを設置している部屋ではタバコを吸わない様にするなど、気をつける必要があります。
ただし、昔に父がタバコ部屋にパソコンを置いて使っていたことを考えると、HDDのホコリ対策は優秀であり、過剰に神経質になる必要はなさそうですが、気をつけるに越したことはありませんので、しっかりと対策しましょう。
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